特定非営利活動法人 ニューマン理論研究・実践・研究会

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2015年度 第9回ニュースレター

2015年度 第9回ニュースレター

はじめに

ニューマン理論・研究・実践研究会のホームページをご覧になっている皆様こんにちは。
今回は 2015 年 10 月 25 日に神奈川県立がんセンターで開催された第 9 回対話集会の模様をご紹介します。
今年度の対話集会も、昨年度同様に全国から多くの方が参加してくださいました。3 つの実践事例をもとに行われた発表者と参加者間の対話と、グループ内での対話はいずれも活気あるものでした。

第9 回対話集会

日時: 2015年 10月 25日
場所:神奈川県立がんセンター

対話1
患者とその家族、医療チーム、OCNSが響き合い 成長を遂げたプロセス
~M.ニューマンの健康の理論の観点からの分析~

久山 幸恵 (静岡県立静岡がんセンター)
ファシリテーター:諸田直実(武蔵野大学看護学部)

このセッションはOCNSである久山さんが苦悩している患者、家族、医師、看護師へ誠実に関わることによって、患者・家族・医療者に変化が現れたという事例でした。苦悩する患者・家族に寄り添い、傷ついた医師、看護師にも誠実に関わった実践で実った彼らの変化に、会場からは感動したとの声が多数聞かれました。また、会場から家族が初回に怒りを露にした時から面談をはじめる際には、どのようにすすめたのか質問がありました。久山さんは、“火山が噴火したように”怒っていた家族が、これまで治療をがんばっていたことがよく理解できたので、治療だけについて話すのはきついと感じたそうです。これからどのように生きたいのか聞くために、どのように生きてきたのか聞かせて欲しいと伝えたことで、面談に進むことができたと話されました。

また、ファシリテーターの諸田さんから、医療チームのパターン認識をどのように促したのか質問がありました。久山さんは、医師、看護師らが患者・家族の怒りの反応を見ることで傷ついた思いを抱いたようであるが、彼らの「患者・家族に役立ちたい」という姿勢は明確であったので、その気持ちが揺らがないように配慮しながら関わったことで、徐々に対話を通して気持ちや考え方が変わったと話されました。
久山さんの発表は、実践の中での患者・家族、そして関係者の変化が生き生きと表現され、目に浮かぶようでした。

対話2
「がん患者・家族の生活習慣立て直し支援」の導入をめざした Y病院看護師グループのとりくみ
~支援をめざして学んだ看護師らと周囲に拡がった変化の波紋~

小笠原利枝1、深沢輝子1、平野志信1、三次真理2、今泉郷子2、遠藤恵美子2
1) 横浜市立みなと赤十字病院,2) 武蔵野大学看護学部
ファシリテーター:遠藤恵美子(武蔵野大学看護学部)

三次先生たちの研究からはじまった「がん患者・家族の生活習慣立し対話の会」の試みは、現在、横浜市立みなと赤十字病院、青梅市立総合病院、北里大学病院3つのフィールドでいま展開されています。今回、横浜市立みなと赤十字病院での試みを小笠原さん、平野さん、深沢さんより紹介していただきました。参加したナースが体感した自分の変化がいきいきと紹介されていました。そして、そのことで家族や、同僚へ波紋が広がっていく様子も紹介されていました。
また、「生活習慣立て直し対話の会」に参加した看護師が実際に体験することで、この点に関して患者に自信をもって対応することができ、手ごたえを感じていた様子でした。平野さん・深沢さんをはじめ、会に参加した看護師の変化による波紋はダイナミックで確かなものであることが体験の紹介からわかりました。
「生活習慣立て直し対話の会」に参加した水野さんは、「初めは本当に自信がなく、どうやって対話すればいいのかわからなかった。根拠のうらづけや、欲していたものは、事前の勉強で与えてもらった。吸い取り紙のように知識を吸い取った。吸い取ったものを2年目になって表現することができるようになり、生活者としてお互いに参加者と対話できるようになった。根拠が自分たちの自信になったことが実践して感じた」と話されました。

フロアからの意見として、青梅市立総合病院で参加していた看護師は、「対話の会の開催日を、勤務が休みの日に当てたことによって参加者が増え、意識が高くなった」と発言していました。青梅市立総合病院での試みの特徴は、資料を使うことよりも、その場で学んでその場で楽しむことで、それが自分たちには合っていたと紹介してくれました。さらにまったく野菜を食べられなかったが、食べられるようになったという発言もありました。

北里大学病院での実践も児玉さんから紹介されました。外来看護師が豊かになることは患者を助けることになると考えたプログラムを実践しているということでした。看護師は、ニューマンの健康の理論に馴染んできているので、「すっ」と入ることができ、このことは強みと考えていると話されていました。施設により進め方に特徴があり、それぞれの施設の特徴を活かして実施されている様子でした。武蔵野大学から始まったこの試みが3施設で展開され、さらに継続されているそうです。今後が楽しみです。

対話3
奈良ニューマン理論・実践学習会 :発足から現在までの歩み

松井 利江 (天理医療大学 医療学部看護学科)
ファシリテーター:久保五月(北里大学看護学部)

これまでHEC理論に基づいた実践と研究は主に神奈川と東京で行われていました。今回、奈良県「奈良ニューマン理論・実践学習会(NHEC)」を立ち上げ、大きな第1歩を踏み出した松井さんが踏み出すまでの「理論を熟知しているスタッフがいない」などの懸念・不安を乗り越え、今も進めている状況を紹介してくれました。
ゼロからどうやって生み出すのか、活動の報告を通して教えていただきました。
仲間を作る、細く長く続ける、楽しむ、などのことを大切にされていることが印象的でした。「N-HEC」(ニーク)という名称で活動をされています。ホームページも立ち上げ精力的にされています。
http://feelgoo.com/ ぜひ閲覧されてみてはいかがでしょうか!
また、どうやってさらに活動を発展させていくか、会場からアドバイスがありました。

ファシリテーターの久保さんは「貴重な第1歩の踏み出しを、包み隠さず、オープンに紹介してくれた」と努力をねぎらいました。そして、他のフィールドで会を発足させたいと考えているグループには大いに参考になっただろうと話されていました。また、フロアからは、「熱意をもって取り組んで感動したので、1回参加してみたい。臨床看護師の願いは何なのか?実践のなかで、業務に流されて、本当にこれでいいのか?などのことが手がかりになるのではないか?苦しんでいるナースがこうなりたいという願いが原動力になると思う」とアドバイスがありました。

さらに、「15年前ですが、北里はアクションリサーチに取り組んだ。臨床の看護師が行き詰っているエンド・オブ・ライフケアをどのように変えたいのか、その願いを研究者看護師と共に言語化しながらHECに基づくケアを実践しながら病棟がどんどん変わった。当時看護師の経験年数が平均1.8年であり、新人教育で家族ケアに手が届かないような状況のなかで、家族の悲嘆プロセスを支えるプログラムを導入し、病棟ナースばかりか医師までが変わった。アクションリサーチという形も、看護を変えていくのにとても良い方法だと思う」とフロアからの意見がありました。
奈良県の看護を良くしたいという気持ちを声にし、実行に移した第1歩をご紹介くださいました。今後は、HECの活動が全国に広がって欲しいと切に願っております。

グループ内で対話のひとときは、下記のテーマが準備されました。

グループ内で対話のひとときは、下記のテーマが準備されました。
1) 「マーガレット・ニューマンの拡張する意識としての健康理論の
核を理解しよう!」
2) 「ニューマンの健康理論に基づく看護介入:理論に基づく介入が
創りだすちがいを明らかにしてみよう!」
3) 「苦悩の中にある患者へのニューマン理論に基づく寄り添い:患
者・看護師間の相互交流に焦点をあててみよう!」
4) 「ニューマン理論に基づく家族ケア:全体性のパラダイムの見方
で家族をみてみよう!」
5) 「ニューマン理論を実践するナースの成長:自らのケアパターン
を振り返ろう!」
6) 「ニューマン理論に導かれた実践:日々のケアにケアリング・パ
ートナーシップを取り入れてみよう!」

上記6グループに分かれて、対話をすすめました。筆者はグループ3に参加しました。参加者は「対話集会に参加した時には“やってみようと”と思うが、翌日、臨床現場に戻ると、HECに基づいた相互交流をする第1歩が難しい」、「患者に寄り添った相互交流とはいったいどんなものなのだろうか」などの思いを共有しました。グループでの対話は75分間設けていましたが、いずれのグループも。時間になっても対話を終えることが難しいほど、盛り上がっていました。

最後に、ニューマン理論・研究・実践研究会遠藤惠美子会長から、本会がより社会貢献してく時期にきていると考え、2016年4月から、NPO法人を設立したいという話と、その趣旨説明がありました。次回には、もう少し詳細をお伝えいたします。

おわりに

ニューマン理論・研究・実践研究会は、NPO法人に移行した暁には、さらにニューマン理論を看護実践に導入して、発展していきます。
ぜひとも皆さんのお力添えをよろしくお願いいたします。

文責:永井庸央

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