特定非営利活動法人 ニューマン理論研究・実践・研究会

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2011年度 第5回ニュースレター

2011年度 第5回ニュースレター

はじめに

 ニューマン理論・研究・実践研究会のホームページをご覧になっている皆様こんにちは。
 当日は、天気の悪い日でした。それにもかかわらずとても多くの方々にご参加いただきました。ありがとうございました。

第5回 対話集会

開会の辞 研究会趣意説明

事務局長 小笠原利枝

まず小笠原事務局長から実行委員一同、もてなしの心で運営したいと参加者に伝えられました。次にこの会の目的、「M.ニューマンが主張する看護職者の責任、すなわち人々が内部の力を認識できるように援助することの真の意味を理解し、全体性のパラダイムのもと、看護実践と研究を通してケアリングのサイエンスとアートを探求することにある」との話しがありました。今回は青森から熊本まで参加者がいらっしゃることがわかり、ニューマン理論が広がっていると感じることができました。

その後、会長である遠藤先生より参加者の皆さんへお礼の言葉が述べられました。この会は対話の会であることを強調され、参加者が一歩ずつ進歩するように進めていきたいと話されていました。

対話Ⅰ ターミナル期がん患者・家族と看護師の繋がりを生み出した「寄り添い」のケア~M.ニューマン理論に基づく考察~

森さんは、日々の臨床経験の中でコミュニケーションの大切さとケアリングについて感じていました。今回ターミナル期のBさんに積極的に寄り添うことを行ってきた結果、家族とともに看取っておられました。

当初Bさんは一人でがんばっており、手助けが必要ない人と思われていました。しかし寄り添い関係が深まる中でBさんが心の内を話してくれるようになり、お互いを思いながらも離れていた家族が一つになった様が紹介されました。

森さんは、Bさんとのかかわりに悩んだことを振り返りながら、Bさんとともに生きていきたい、と勇気をもってBさんに伝えました。Bさんに素直に森さんの気持ちを伝えることで、Bさんと気持ちが重なり、その後家族一人一人と面談し、家族全員がBさんの希望を叶えるように協力しあうようになり、家族が一つになった様子を紹介されました。

実践に沿ったケアの発表でわかりやすく、興味深い内容でした。また、「患者としてではなく人として愛する、好きになる、すべて受け入れる」という森さんの人柄が伝わってくる発表でした。

最後に森さんはBさんとの関係を振り返り、人に寄り添うことの大切さ、自分がかかわることで家族の変化がわかり、看護師も一つになっていったことを感じ、成長したことを病棟全体でも感じたということでした。実践へのヒントを与えられた時間でした。

対話Ⅱ ターミナル期のAさんとその家族と私の寄り添い
~ニューマン理論の寄り添いから生まれたケア、ならびにそのケアが意味すること~

古里さんは修士課程の実習で出会ったAさんとその両親とのかかわりを発表しました。古里さんは「自分が訪問看護師であることの意味を理解し、バーンアウトしたことさえも意味あることだと感じさせてくれるAさん、家族との出会いだった」と対話の中で語っていました。
自分の気持ちを話さないAさんに対して病棟スタッフはどのようにサポートしてよいのかわかっていませんでしたが、古里さんはAさん家族の苦悩の渦中に飛び込んで支えていました。古里さんがAさんとかかわりたいと思ったきっかけは、看護記録を読み、一人で突き進んできたAさんが夜がこわいというのはどのくらいの怖さなんだろう、どうにかして力になりたいという思いからでした。ありありと現象が見える発表で、Aさんが変化する様子がわかり、「人は最期まで成長できる」ということを再認識していました。また、寄り添いから生まれた家族とのつなぎのケアは2週間という期間の短さを感じさせない深いかかわりでした。 
会場から「Aさんとかかわる中での自身のつらさは?」という問いかけがありましたが、遠藤先生からは「自分がつらいと思う看護師は、見方を変える必要がある。自分の力を全部使ってなくなっていくのではなく、ニューマン理論は患者との相互作用の中でevolutionしていく。相手との間でクリエイトしていく」とおしがあり、さらに理解を深めるきっかけになりました。

対話Ⅲ 禁煙を願いながら踏み切れないでいる看護学生と教員のパートナーシップ
~マーガレット・ニューマンの健康の理論に基づく支援方法の開発~

対話Ⅲは今までとは趣が違う高木さんの発表でした。禁煙を願いながら踏み切れないでいる看護学生と教員とのパートナーシップにより、学生の生活パターンにはどのような変化が現れるかという問いでした。教員との相互作用の中で学生が自己の気づきを深めていく過程は印象的でした。また、新しい面談方法も紹介され、録音テープを学生自身も聴いて整理することが加わっていました。今回の研究を通して、学生は若い感性で、少しの刺激で大きく変化することがわかりました。研究への参加を呼びかける際に、①ポスター提示で関心をもった人に集まってもらう=禁煙に対する意識のある学生、②面談、ニューマン理論を使うことを了解した学生、でしたので、学生もこのプロセスに向き合う準備ができていたことも大きな要素だったと話されていました。

このような研究の可能性としては、落ちこぼれの学生、虐待する母親などに研究を広げることができると考えられます。大切なのは見方が変わって看護学生としての気づきがあること、パートナーとして進化することであると考えます。パターン認識を外さないこと、そしてパターン認識はさせられるものではなく、自分で気づくことであることも重要であり、自分を静かに見つめるためにはパートナーの存在が欠かせないことである、と改めて認識しました。

グループでの対話

今年度より新しい試みとして、発表のあった対話に沿ってグループに分かれて対話をしました。各発表者とファシリテーターがその対話がよりevolutionできるよう、配慮していたようです。発表の時には聴けなかった発表者の思いや、ニューマン理論に基づいた面接の在り方などについてどのグループも対話が促進されました。皆さんもグループでの対話により、よりニューマン理論に基づいた研究や実践に興味を持っていただけたようでした。

おわりに

 この度は、発行が遅くなり、大変申し訳ございませんでした。
 皆さんが対話集会でさらに拡張されている様子が伝わりましたでしょうか。ニューマン理論に興味をもたれて、実際にpraxisされたいと思われた方は、ぜひ研究会までご一報ください。

文責:清水、三浦

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