特定非営利活動法人 ニューマン理論研究・実践・研究会

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2010年度 第4回ニュースレター

2010年度 第4回ニュースレター

はじめに

 ニューマン理論・研究・実践研究会のホームページをご覧になっている皆様こんにちは。
 2007年に発足した本会は今年で4年経ち、ニューマン理論に関心のある人の輪が広がりつつあると思います。今回2010年10月10日(日)に行われました第4回対話集会の当日の模様をお伝えいたします。

第4回 対話集会

生活習慣病のひずみ、疾病の開示、パターン認識、そしてチョイスポイントとトランスフォーメーション~マーガレットニューマンの健康の理論の実践~ 

前年度対話集会同様に朝から雨が降る中、東京都武蔵野市の武蔵野大学に100名の参加者が集まりました。事務局長の小笠原利枝さんより対話集会の目的が説明され、会が開催されました。
はじめに遠藤恵美子会長より「生活習慣病のひずみ、疾病の開示、パターン認識、そしてチョイスポイントとトランスフォーメーション ~~マーガレットニューマンの健康の理論の実践~~」というテーマでスピーチが行われました。このプログラムはがんを生活習慣のゆがみのサインと考え、がん体験者が自分の生活習慣を語り、生活習慣のパターンを掴むことを目指したプログラムで、すでに3つのフィールドで実践されているものです。食事、運動についての講義も行い、知識を身につけて生活習慣を建て直すことも支援するものです。このプログラムによりがん体験者が生活習慣のひずみに気づき、今の自分を変えていこうと決断し、智恵を使って新しい生活習慣を築きあげることが出来ると確かな手ごたえを感じていることが伝えられました。

対話Ⅰ:せん妄のあるがん終末期患者へのがん看護専門看護師の寄り添い


早川満利子さんはがん専門看護師としてせん妄状態にあるがん患者にニューマン理論を基にした面談を行った看護実践について発表しました。患者が最も関心のある家族について振り返り、家族のあり様を認識することで、生き生きとした様子に変化したことを話されていました。フロアから病棟スタッフとの連携はどのようにしているのかなどの質問があり、記録だけでなく病棟スタッフと直接対話することで患者の一番近くにいる病棟看護師に看護実践をつないでいく重要性が語られました。


対話Ⅱ:ニューマン理論に基づく終末期患者とその家族(意識)の拡張を促すケアのあり方~修士課程の学生との授業を通しての探究~

宮原さんは、現在緩和ケア病棟看護科長をしており、日常的にナースは何を目指してケアをしているのかについて関心を持たれています。今回はがん看護学専攻の修士課程の授業の中で、宮原さんの事例をもとにニューマン理論の観点からケアの意味について検討した内容を報告してくれました。ファシリテーターの高木さんは共同研究者でもあり、一緒に授業に参加していたということで、宮原さんの事例提供のあとは、高木さんと宮原さんのやり取りでさらに対話Ⅱが進んでいきました。その中で、宮原さんのケアの一つ一つがニューマン理論に裏付けされ、参加者はより具体的にニューマン理論を知ることができ、理論と実践のつながりを感じることができました。終末期ケアの核心は、死に近づいていても拡張し、新しく進化することを支援すること、と宮原さんは力強く語りました。この時間では熱心にメモを取る参加者が多く、予定時間を超える意見交換が行われました。宮原さんのパワーを感じるとともに、一緒に働くスタッフはなんて幸せなのだろう、とうらやましく思いました。

対話Ⅲ:患者とナースの対話を超えて広がる波紋~緩和ケアチームのナースの試み~

小笠原さんは、大学院を修了して10年目で現在は所属する病院の緩和ケアチームの専従看護師として勤務しています。今回は、緩和ケアチームの一員として行った、ニューマン理論に基づく実践の取り組みを報告されました。まず、所属する緩和ケアチームの紹介のあと、家族の期待に応えようと苦しんでいるAさんとの関わり、新しい夫婦関係を模索しているBさん夫婦との関わりについて、対話の過程と変化の局面について発表されました。小笠原さんが悩みながらもAさん、Bさんご夫婦に意識的に寄り添いそれぞれが変容したこと、また、緩和ケアチームナースとしての役割を確立していく姿が丁寧に説明され、目に浮かぶようでした。

小笠原さんは、臨床で理論に基づいた実践をするためには、理論を知る誰かとパートナーを組んで、理論からの見方をディスカッションできることが大切であり、実践を振り返る機会を持つことが課題
と話されました。この対話集会に参加された方々が、お互いにパートナーとなりニューマン理論に照
らしながら実践を振り返ることができれば、ますます看護の質が向上するのではないかと感じました。最後に遠藤先生からできるだけ早い時期に「tell me about your meaningful event and relationship in your life」、ニューマン理論でいう対話に入ってほしいと繰り返され、実践への思いを新たにする時間となりました。

親睦会

お菓子を囲んでにぎやかに行われました。あちらこちらでグループが出来、交流を深めました。

おわりに

第4回の対話集会の様子が伝わりましたでしょうか?第5回も皆さんとお会いできるのを楽しみにしております。 

文責:永井、清水、三浦

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